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その時、ドンッと俺は誰かに肩をぶつけられハッと我に返った。
パチンコ屋で座っていた俺は、今までパチンコ台の赤いランプを見ていたはずなのに、気づくと警報機の赤いランプを見ていた。
俺は何故か、踏切の真ん中で立ち尽くしていた。
耳に繰り返し聞こえてくる音もその警報音。
すでに片方の遮断機は下り、もう片方も下りようとしていた。
俺は慌てて走り、線路の外に出た。
茫然とし、自分がいる場所を認識するまでにしばらくかかった。
その踏切は、商店街からしばらく歩いた場所にある。
めったには通らない踏切だった。
パチンコ屋から踏切までの道のりを、俺は全く思い出せなかった。
俺はパチンコ屋に戻る事なく、そのまま家に帰った。
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