Chapter.1

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優奈の家は、樹の家の隣にある。 つまり、お隣さんだ。 生まれた時から、二人はまるで姉弟のように過ごしてきた。 「おばさん、またね」 「優奈ちゃん。いつもありがとね」 リビングに顔を出すと、テレビを観ていた樹の母親が、腰を上げながら振り返った。 「全く、びっくりしちゃったわよ。いきなり優奈ちゃんのとこ受けるって言うから」 「あはは。大丈夫だよ、おばさん。樹、すんごい頑張ってるから」 樹の方に視線を向けると、優奈は「ね!」と小首を傾げた。 「ほら、行くぞ」 ぶっきらぼうに声を掛けながら靴を履くと、樹はそそくさとドアを開けた。
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