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「惜しいなぁ。じゃあ、ボクの声に合わせてみてよ。せーの、1、2。1、2。1、2…。」
パッタパッタパッタ
バッサバッサバサ
「1、2。1、2…。」
パッタパッタ
バッサバッサ
「そうそう!いい感じだよ!」
ドラゴンのことを励ますリンリンとした声。空色の小鳥が嬉しそうに羽ばたいています。ドラゴンも嬉しそうに鼻を鳴らします。
ドラゴンは1匹ではありません。今は、師匠が仲間が友達がいます。毎日の練習にいつもより楽しい羽ばたきの音が響くようになりました。
ドラゴンと小鳥はあの崖の上で、毎日飛ぶ練習を続けていました。どれだけやっても飛べませんでしたが、ドラゴンは自分の羽ばたき方がだんだん安定してきていることを感じていました。
時々、森の動物たちがドラゴンをバカにしにくることがありました。しかし、ドラゴンが吠えるよりも前に小鳥が彼らのことを追い払っていました。
「やーい、飛べないドラゴ…」
「うるさい!今練習してるところだろ!邪魔するならあっち行け!」
そうカンカンわめきながら小鳥が突いてくるものですから、動物たちはいつしか遠くから見ているだけになっていました。
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