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ドスンドスンと重い体を揺らしながら、ドラゴンは森を進んでいました。他の動物たちは遠巻きにその姿を眺めます。
それに気づいているドラゴンはやはり、グルルという声を漏らします。
既に日が傾き始めていて、あんなに青かった空もじわじわと茜色に染まっていきます。ドラゴンのウロコもほんのり赤みを帯びているように見えました。
ドラゴンが戻ってきたのは、大きな大きな洞窟でした。あの体がすっぽりと収まるくらい大きな洞窟です。
ズンズンと中へ入っていったドラゴンは、しっぽまで入りきると、ゆっくりと体を横たえました。
フゥフゥ…。
そのままドラゴンは小さな寝息を立て始めました。よほど疲れていたのでしょう。遠巻きにドラゴンを見ていた動物たちもハラハラと帰っていきます。
やがてあたりは真っ暗になり、ドラゴンの弱々しい寝息が静かに木霊しました。
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