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唐突に、新しい感覚が加わった。温かいものが先端の方を覆っていて…これはなんだろう?シャワーを浴びている感覚に似てるけれど…気になってしまい少しだけ目を開けば、まさかの予想通りな状況だった。
こんな資料室で、お湯を局部にかけられてるなんて…普通は信じられない。
けれど、今目の前では、エリオットさんの指先から魔法でお湯が出されていて、皮が剥け始めていたところをそれで洗浄されている…と言う、とんでもない光景が目の前に広がっていた。
驚きすぎて声も出せずに見つめている間にも、エリオットさんの作業は進んで行く。いけるかなって声と共に強く皮を引っ張られると、大きく剥けたような気がする…当然ながら治癒をかけているから、痛みはないのだけれど…治癒がなきゃ飛び上がる痛さだったのは想像に固い。
仕上げとばかりに、魔法で隅々まで綺麗に洗われたら、昨日まで見慣れていた物とは全然違う物が現れる。一体自分の身に何が起こったのか…わけもわからず、満足げに笑うエリオットさんを見るとおめでとう!と祝福された。
「これで、リオも大人の仲間入りだ」
「大人…」
「よく頑張ったな」
ぽんって腰を叩かれて、よく分らないけれど、有難うございますと答える。さて、と仕切り直しのように息をついたら、エリオットさんはさっきと同じように床へと座り直した。
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