おにーさんと同衾事件

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おにーさんと同衾事件

   喉の渇きを覚えて目を開けると、知らない天井だった。  僕の部屋の天井はもっと薄汚れた白だったはずなのだけれど…今見えているのは、汚れなど一つも無い綺麗な白。それに、体が沈みこんでいるベッドもふかふかで…動く度に軋む僕の物とは全然違う。嗅ぎ慣れないけれど、どこか落ち着く良い香りも漂っていて、明らかにここは自分の部屋とは違っていた。  僕はなんで眠っていたのだろう…?眠るまでの記憶を辿ってみて、すぐにあの資料室での行為が鮮明に浮かび上がってきた。一気に顔面に熱が集まり、赤面しているのが自分でも分る。  そう言えば、直前まで僕は下半身丸出しだったはず…!思い出した瞬間に体は起き上がっていて、下半身の状態を確認していた。 「よかった…!」  下着もズボンもはいてた…!丸出しは免れたみたいで一安心だ。それを確認できてから、ようやく辺りを見回してみる。  散らばっている衣服に、書物、書きかけの紙、何かの食べ屑…ベッドの上にも書物や衣服が散乱していて、綺麗なのは天井だけだった。騒然たる状況…いわゆる汚部屋に、思考はストップする。     
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