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「お前の弱さにはほとほと愛想が尽きた。僕達は魔王を倒しに行く道中にいるのであって、日々の日銭を稼ぐために魔物を狩っているわけではない」
「それぐらいわかっていますが」
「ならば、わかるだろう? 君の実力は、その程度だと言っているということが」
目の前のキラキライケメン――勇者レオナルドに言われて、俺は返答に窮した。
何故ならば、言われていることは至極真っ当であり、俺の実力では目の前の勇者には遠く及ばないからだ。
勿論、勇者と一緒に行動している以上、俺だってそれなりの実力者だっていう自負はある。街を一匹で壊滅させるような災害級モンスターとだって一人で戦って勝てるくらいの実力はあるし、実際それが認められてここにいたのだから。
でも、勇者の言っていることも最もではあるのだ。
この勇者パーティが相手にするのは魔王だ。魔王がどれ程の実力者かなんて言うのは俺にはわからないが、魔王軍の幹部クラスの敵と戦ってきてハッキリしたことがある。
あいつらははっきり言って異常だ。災害級モンスターを一人で倒せる俺でさえ、大人にあしらわれる子どものような戦いしかできなかった。
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