追放されたと思ったら

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 その時、確かに今のままでは俺は実力不足に違いないと感じたものだ。  しかし、それは―― 「俺の実力が足りないのは認めますが、それなら他の三人もそうなのでは? 勿論、それぞれ役割があって一概には比べられないとは思いますが」  実際のところ、勇者以外の全員が実力不足だと思われる。  皆それぞれ特別なスキルは持っていよう。それをある程度使いこなせているということも認めよう。そして、俺にはそんな特別なスキルなんてものもないことだって認めよう。  女戦士には【剣王】というスキルがある。おそらくこの地上で一番剣の扱いが上手いに違いない。女僧侶には【聖人】というスキルがある。全てを許し、全てを治すスキルだ。極めれば死者の復活すら可能になると言われている。そして、俺の幼馴染――シャオには【預言者】という未来を見通すことの出来るスキルがある。このスキルのおかけで、俺たちは次にどこに行けば良いのか、敵はどんな奴でどこにいるのか、なんてことがわかっていたのだ。  しかし、それらを加味しても、俺が他の三人よりも劣っているとは思わない。むしろ、純粋な実力で言えば俺のほうが強いはずだ。  何より、シャオは俺の恋人だ。危険だとわかっているのに、恋人を放ってパーティを離れるなんてことが出来るはずがない。  だから俺は言うのだ。
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