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「俺がこの先の戦いについていけないのなら、他の三人だってついてはいけないはず。それなのに、俺だけ置いていく理由はなんですか?」
「他の三人は代替が効かない。スキル持ちのパーティメンバーとしても、僕のパートナーとしてもだ」
「……パートナー?」
勇者レオナルドは国が認めた勇者だ。俺は大嫌いなクソッタレな国ではあるが、国が認めた、というのはやはりでかい。まあ、俺も国が認めたパーティメンバーではあるのだが。
……ていうか、パートナーって?
いや、うん、意味はわかっているよ? そりゃあね? 俺だって子どもじゃないし。でも、今、三人って言ったよね? 二人じゃなくて。
聞き間違いか?
「……さんにん?」
「三人とも、だ」
わけがわからない。
ちょっと混乱している。
二人じゃないのか?
三人って言ったらシャオも含まれてるじゃないか。なんで?
シャオって俺の恋人だったよね?
生まれた時からお隣に住んでて、ずっと仲良くて、自然な感じに恋人になって。こんなパーティなんかに選ばれなければ、そのまま自分たちの村で一生を穏やかに笑いながら暮らしてた。
それが良かったね、なんて、話し合ってたじゃないか。
「シャオ……どういうこと?」
「どうもこうも……そういうことだけど」
シャオの返答は淡々としていて、なんだか事務的なやり取りに感じた。
俺とは視線を合わせず、ぶっきらぼうに言う。
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