小説とカプチーノ

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小説とカプチーノ

 形から入るのか、中身から入るのか? と言われれば間違いなく前者だ。 もう見切り発車万歳なほど形から入る。そして形だけで終わる。  そんなことを繰り返しながらも、未だその性分が治っていないのだから、そろそろ形が中身に化けても良いのではと思うのだが、そうはいかないのが人生だ。  そんな人間なので、「小説を書く」ということかもまず形から入る。   みなさん小説家と聞けば、どんなことを想像しますか?  私は、「小説家と言えば煙草とアイスコーヒー」だ。気難しい小説家が、芥川龍之介みたいな肌着を着て、煙草とアイスコーヒーを両手に小説を書く。それが、私の小説家像だ。  さて、形から入る自分としてはこの状態で小説を書きたいところなのだが、問題が一つある。 それは、私は煙草を吸わないということだ。  幼い頃からチューペットは吸ってきたが、煙草はない。まして、葉巻や水煙草など私の人生にとって伝説上の産物ではないかと思っているぐらいだ。 たまに、「今まで煙草吸ったことないなんて、凄く健康的ですね!」と驚かれることがあるが、なんのことはない、別に健康になりたくて吸わなかったわけじゃない。     
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