第一章  昔

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あっちでヒソヒソ そっちでもヒソヒソ 私を見ながら何かを話している。 何を言ってるのかなんて大体予想がつく。 あの子凪の彼女でしょ? 違うでしょーだって、凪と全然話してないじゃん。 エー?そうなのー? そうだよ。彼女モドキって言われてるんだよー。 そんなの嫉妬もしないわー。 きっとこんな感じだと思う。 実際、聞いてしまったことがあるから。 美奈子ちゃんは 「な…何で私たちのこと見るんだろうね~?」 本当に美奈子ちゃんは嘘が下手だと思う。 でも、そこがいいところなの。 “私たち”じゃないよ。 私だけだよ。 「どうしてだろう?」 「気にしなくても大丈夫よ。」 サラちゃんありがとう。
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