4120人が本棚に入れています
本棚に追加
/98ページ
俊side
電話がかかってきた。
なんの電話かなんてわかっている。
「俊か?」
「……あぁ。」
「麗奈ちゃんは見つかったのか?」
「いや。見つかってねー。」
「そうか。でも、残念だが時間切れだ。
日本に帰ってこい。」
わかっていた。
わかっていたんだ。
この知らない広い土地で。
しかも自分の勢力は聞かないところで。
無謀なコトなんてわかっていた。
あって麗奈が許してくれるとも思っていなかった。
でも、それでも麗奈に男が出来るのは心の底から嫌なんだ。
いつから俺はこんなに情けない男になったんだ?
いなくなってから気づく大切さなんて意味ねーわだよ。
「クソッ。」
自分への怒りがわいてくる。
フランスに勢力が無いのなら作れば良い。
そうするしかないだろう。
俺は日本へ帰る。
でも、絶対に探し出して見せるぞ。麗奈。
最初のコメントを投稿しよう!