友達の詩(アサキ×ルン)※

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「ルン君可愛すぎ!」 並んで座った車内。鍵盤でジャズを奏でるように、アサキがシャツの下から両手でカラダを探れば、月の胸は切なさに息づく。 「っ!!俺のコト、可愛いなんて…言うなぁ!」 狭いシートの上で空間を求めて、天井と窓に手を衝く。 アサキの膝の上に跨ぐように乗ってきて、悶えるように背中をくねらせる。 ゆらりと揺れる車体。 月のベルトを外してジッパーを下げて、膝までジーンズと下着を引き下ろしたら、既に立ち上がってた熱を、アサキは狭い車内で屈んで一想いに頬張った。 「アイダさん…っ、やっぱり、ヤダ。こんなとこで…俺のことおかしくしないで…っ」 でも。 もっと激しくしてよ もっと優しくしてよ 言葉と裏腹に、身体が訴えてくる。 二人にあわせて揺れる車体。 「――あ…あぁっ!」 張り詰めたものが開放されて、アサキの口内に白濁が放たれる。 ごくり、と音立てて飲み下したアサキは。 「――間違えた。ルン君可愛いんじゃない…」 一度逝かされて消耗した月は、少し遠のく意識の中。 「え…?」   「こんなにエロいカラダ、俺初めて見た」 振り乱す黒髪。 涙が滲む、潤んだ瞳。どのパーツ見てもカラダが疼く。 「離さないよ?」 欲しい心と裏腹に、これ以上の快感からは逃れたがる月の腰を、アサキの足が絡んで遠ざけまいとするから。 観念したのか、 「あ…アイダ、さん」 強請るような声色。 「ルン君。言ってくれなきゃ解んない」 月は力を振り絞って首を横に振る。 「言えない?」 大きく一回頷く。 「言ってよルン君。欲しいの?」 自分の口の中に指を入れて唾液を掬って、ぬらりと湿らせたままのそれを、月の後ろの口のあたりでゆっくり這わせる。 「ね。いじわるじゃないよ?ルン君欲しいんだよね。俺のこと」 「――れ…て?」 幽かな声。 「挿――れ……て?」 「聞こえないよ、ルン君」 「――挿れ…てよ?お…くまで…っ」 「ちゃんと言ってくれなきゃ、ダメ」 「だから!!――もっと奥まで挿れろよっ!」 髪を振り乱しながら口にした言葉があまりにも淫らで。恥じらいが快感へ昇華する。 「よくできました」 ゆっくりと腰を進めると。 じわじわと月の中が、犯してくるものを締め付けてくるから。達しないのを堪えるのに集中するしかない。 「あっ――あぁ…」 満たされていくのを全身で悦ぶ月の声を聞いて。アサキも共に、満たされていくのを感じた。
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