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越田 莉央
私の幼い頃はとても恥ずかしがり屋だった。
「こしだ りお です」と言うのも恥ずかしいぐらい。
順番に自己紹介していきましょうなんて地獄のようだった。
比較的授業は真面目に受けている方で、他の子とも時間は掛かるけど仲良くなれた。
そんな私に最初の分かれ道ができたのは高校1年生の時だった。
仲良くしてくれる子に徐々に染まり、歌わず嫌いだったカラオケもいざ高校デビューしてみたら案外歌えてる自分に驚き、そこから性格も徐々に変わっていった。
よく言えば殻を破れたとゆう感じで、毎日が凄く楽しかった。
でも楽しすぎて歯止めが利かなくなっていった私は1年生にして留年を言い渡された。
当然両親は怒り、1ヶ月程口を聞かなかったのを覚えている。
そこからは精進して学校に行き、授業を受け、アルバイトをしてお金を稼いだ。
今から思えばもうこの時には私は猶予を貰っていたのに
当時はそのことに気づいていなかった。
そして私は逃げていたのだ。
自分に。自分の道は自分で決める。
生半可な気持ちでいたのは事実だった。
なんとか4年で卒業した私は、やりたいことが見つからず
なんとなくバイトをしていた。バイトをして寝て遊んでバイトをして寝て。。
危機感すら覚えない私には両親も飽きれていたことだろう。
ある日母とこんな会話をしたのを覚えている。
「莉央、今日バイトは?」
「え-今日ないから出掛ける」
「あんたお父さんにお金返しなさいよ?」
「分かってる分かってるから静かにして」
「柚菜も来年高校受験なんだから家生活ギリギリなんだよ?あんた分かってる?」
「うーん。」
柚菜とは私の妹である。妹とは仲が良くて今でもよく話す。
しかしこの時は私の事は嫌いだったであろう。
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