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柚菜という妹
彼女はまるで私と違うしっかりものだ。
昔から夢があり、色んなことに挑戦するタイプだった。
そして昔からよく一緒に遊んだ。
ゲームをしたり、出掛けたり。
そんなに仲が良かった妹も、私が高校生になったときには
あまり遊ぶことが少なくなった。
「おねーちゃん遊ぼー!」
「んー今日出かけるんだよねー」
「そっか。いってらっしゃい!」
当時は相当我慢していたのではないかなと今思う。
そんなある日、私が夜家に帰ると妹が泣いていて、母がなだめているのを目にした。
「なんで柚菜は行きたいところに受験しちゃいけないの?!」
「おねーちゃんはあんなに自由なのに!!!」
「ごめんね。莉央だけのせいじゃなくてお父さんもお母さんも悪い。ほんとにごめんね。」
会話の最中、私を殺伐とした目で睨んでいたのを今でも忘れない。
そう。彼女は私のせいで行きたかった高校に受験できなかったのだ。
学費が払えなくて。どうしても別の高校に選択肢を持つしかなかったのだ。
私がお金を返さずに遊び呆けていたせいで。
「柚菜。本当にごめんね。全部私のせいで。」
私はいかに迷惑をこの家族に掛けているのかここで初めて実感した。
そして涙が止まらなかった。
泣いても泣いても、妹は行きたいところに行けないんだと思うと戻れない時間に後悔をした。
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