越田れな

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越田れな

「「キャバクラ勤務にも慣れ、OLとのリズムもできてきたが 職業病がつい出てしまうようになったのは自分にとってマイナスだ。 例えば同僚とお昼を食べる時に・・・・。 おしぼりを三角折してしまったり。 水滴が異様に気になったり。 癖になっていると捉えるといい事かもしれないが 「あ・・・・。」と思ってしまう自分もいる。 「まだ{れな}って言わないだけましか。。」そんなことを一人でぶつぶつ。 「越田さん?」一人の女性が私に話しかけてきた。 「はい?」 「あの、言いづらいんですけど。。」 「ん?言いづらい?私何かやらかしました・・?」 「昨夜たまたま越田さんを見かけて。」 (私は頭が少しパンクした。) 「越田さんキャバクラで働いてるんですか?」 (言いづらいとゆう割りにはストレートな質問だ。) 「いやいやいや。私昨日は知人に会ってましたよ!」 「じゃああのドレスの人は似てる人ですかね??」 「ん~ドレスの人を知らないのでそうですね!」 「そうですよね!すいません!この会社って厳しいからバレたらアウトですしね。。」 私の背中が汗びっしょりになっていたのは自分でも分かった。 元々この会社、副業は御法度なのだ。 「この会社、この仕事に誇りをもて」とゆう古き精神と言えよう。 収入自体の変化は自ら申告を役所にすれば済むが。 そもそもこの女性はどこの部署の人なんだ? まず私にはそれが分からなかったが、随分と綺麗な顔立ちをしていた。 私は誰とも会うことはないと思いながらも周囲を見渡しながらお店に向かった。 すっかり仕事も板についてきて、営業メールもこなれたものとなった。 どこかだ自分の殻が破れたかのように 私はお客さんを「お金」として見るようになっていた。 そんなキャラクターがハマったのか、私にも指名客が付くようになった。 当然月間1位なんてとる気はない。 取れるとも思っていないが、自分が指名されるようになると 不思議とみてしまうものだ。 つい「どうせやるなら。」なんて考えてしまう。 「今日も欲を出さずに、柚菜のため、家族のため。」 私は、れなは、ネオンが似合う女になった。
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