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授業が再開された時、あちらこちらから刺すような視線を感じた。何かと思って目を向けると、大多数のクラスメイトがギロリ、と鋭い目つきで睨みつけてくる。
俺は原因を探るために耳を傾けていると、すぐにあちこちから小声で聞こえてきた。
「あ~あ、俺、あの先輩狙っていたのになあ」
「先輩も何であんな奴を選んだんだ?」
「俺、入学してからずっと好きだったのに……」
無論、この学校は男子校である。よって全ての台詞は男どもが口にしている。そして、この学校では男同士の恋愛が常識と化しており。
「……っ!」
俺の中で、琉賀に対する殺意が芽生えた。好意を押し付けられて振り回された挙げ句、奴のせいで多くの敵をつくってしまったのだから、無理もない。
メラメラと激しい殺気を燃やしていると、幹仁は気付かなかったが、周りの視線はいつの間にか嫉妬から恐怖へと変わっていた。
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