第6話 やんごとなき菊池の成績事情

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 なにやら苦しそうな知己の声がドア越しに聞こえてくる。  どうやら、そのドアのすぐ傍に居るらしい。 「苦しいのは分かりますが、このまま二人じっとしていても仕方ないでしょう?」 「でも、今、動いたら……あっ……!」  ドアの前で門脇は、脳内で押し倒された知己と覆い被さるクロードのAVさながらの光景が悶々と広がる。 「せ、先生ーっ!」  焦って叫んでみたが、知己は門脇の声に今は応えられないようだった。 「すみません……知己……。ちょっと、その手をこちらにずらして……」 「んっ……、痛っ……」 「私が、少しだけ動きます。ちょっと我慢して」 「え……? ダメ。無理。そこは……あ、クロード……!」 「少しずつ動けば、大丈夫でしょ? 知己、どうですか? 少しはイイですか?」 「あ……ダメ、も、無理……ーっ…」 「もう少しです。あそこに届けば……。知己、我慢して下さい」 「だ、ダメだっ……、あっ……!」 「ほら、これならどうです? 姿勢、少しかえられるから、さっきよりも楽でしょう?」 「ダメだよ、クロード。それじゃ、お前が重い」 「平気ですよ。それより、今度はあなたが動いてみてください」 「え、ちょっと……! そ、そんなこと……! あ、まずい! やっぱり、ダメだっ……!」     
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