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なにやら苦しそうな知己の声がドア越しに聞こえてくる。
どうやら、そのドアのすぐ傍に居るらしい。
「苦しいのは分かりますが、このまま二人じっとしていても仕方ないでしょう?」
「でも、今、動いたら……あっ……!」
ドアの前で門脇は、脳内で押し倒された知己と覆い被さるクロードのAVさながらの光景が悶々と広がる。
「せ、先生ーっ!」
焦って叫んでみたが、知己は門脇の声に今は応えられないようだった。
「すみません……知己……。ちょっと、その手をこちらにずらして……」
「んっ……、痛っ……」
「私が、少しだけ動きます。ちょっと我慢して」
「え……? ダメ。無理。そこは……あ、クロード……!」
「少しずつ動けば、大丈夫でしょ? 知己、どうですか? 少しはイイですか?」
「あ……ダメ、も、無理……ーっ…」
「もう少しです。あそこに届けば……。知己、我慢して下さい」
「だ、ダメだっ……、あっ……!」
「ほら、これならどうです? 姿勢、少しかえられるから、さっきよりも楽でしょう?」
「ダメだよ、クロード。それじゃ、お前が重い」
「平気ですよ。それより、今度はあなたが動いてみてください」
「え、ちょっと……! そ、そんなこと……! あ、まずい! やっぱり、ダメだっ……!」
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