第6話 やんごとなき菊池の成績事情

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「ああ、埃まみれになっちゃいましたね。綺麗な黒髪なのに」  クロードが、またもや知己の髪を触る。  その長身を生かし、知己の頭上から髪に付いた埃を手で払ったり、息を吹きかけたりして落とした。  それを見て 「せ……、先生に触るな!」  思わず、知己を庇うように門脇がその間に入り込んだ。 「……」  殺気立った反応に、クロードが呆気にとられる。 「門脇……。過剰に反応しすぎだ」  知己が諭すと 「だって、あいつ……先生に触り過ぎだろ?」 「そうか? 外国人特有のスキンシップだろ」 「……」  納得し切れてないようだったが、門脇は知己を相手にそこまで強く言えず、押し黙った。  門脇と知己の妙な雰囲気に、不意にクロードが 「あの、もしかして……二人は、付き合っているんですか?」  と尋ねた。 「はあ?!」  驚く知己と門脇。  だが、門脇の方は妙に嬉しそうにも見える。 「何、言ってる?!」 「男同士だぞ?!」  慌てる二人に 「外国じゃ珍しくないですよ」  通常運転のクロード。  それで知己が、 「教師と生徒だし!」  違う理由を挙げたら 「あ……、なんかエロい響き……」  どうしても門脇は嬉しくなって、ニヤけてしまう。 「門脇! このバカ!」  怒声を浴びせる知己を無視し 「クロード先生!」     
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