第7話 お兄さんと一緒

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「ベッドで寝せた先輩が悪い」  全く悪びれずに、将之は言った。  そのまま容赦なく、組み敷いた知己のパジャマを寛がせていく。 「や……、やめろって……!」  知己の方は、宗孝が気になって仕方がない。  隣で暴れるわけにもいかず、遠慮がちに声だけで拒否した。  そんな抵抗などには全く怯まず、怒りにまかせて将之は、広げた知己の胸元に顔を埋め、そこにも口付けの痕をいくつも残した。 「う、ん……。ぃ、い…や……だって……ば……!」  どうしても声が震えてしまう。  感じまいと思っても、無駄だった。  知り尽くした唇が知己に触れ、それに慣れさせられた身体が反応し始めていた。  だが、流される訳にもいかない。 (宗孝の横で、こんなこと、絶対に嫌だ……!)  知己は強ばる腕で、強引に脱がせようとする将之をなんとか止めようした。 「諦めが悪いな」  苛立たしげに将之がそう言うと、知己の両腕を掴み、肩の横で固定した。  真下に知己を見下ろす。  そして、もう一度知己にキスを求め、顔を近付けた。  が、知己の方は首を捩って、そうはさせなかった。 「……まだ、僕を怒らせる気ですか?」  静かに将之が言った。  無表情な将之の顔が、その心情をありありと伝えてくる。     
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