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「ここじゃ、嫌だって言ってるだけだろ。どうして、敢えてここでしたがる?」
将之とのキスや行為を拒否したい訳ではないことを、知己は訴える。
「じゃ、どこでならいいんです?」
「……リビング」
正直、宗孝の隣でなければどこでも良い。
「ここじゃないなら、キスだって何だってしていい……。あっ……!」
強引な将之から開放された嬉しさに、うっかり口を滑らしてしまった。
「へえ……、何してもいいんだ?」
「いや、今のは言葉の文(あや)ってヤツで……」
焦る知己だが、それとは反対に
「じゃ、ここで続きしようっと」
「バカ! ダメだって……!」
「では、リビングで色んな事をしましょうね」
余裕たっぷりに微笑む将之には、さっきまで漂わせていた怒りのオーラは全く感じられない。
(げんきんなヤツ……)
と思わずにはいられない知己だった。
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