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「……?」
将之の意図を測りかねて……だが断ることはできず、知己は無言で右手を差し出した。
将之はその手を取ると愛おしそうに、手の甲に
ちゅ。
と口付けた。
「!」
想定外の行動に驚く知己を後目に、将之はそのまま人差し指を口に含んだ。
「ん……っ……!」
ぴくりと知己が反応してしまう。
「……こういうのも、たまにはいいでしょ?」
ゆっくりと将之の舌が、知己の指の狭間を這う。
「う……ぁ……っ」
それとリンクして、なんとも言えないぞくぞくとした感覚が知己の背中を這い上った。
(なんだ、この感じ……?)
これまでに感じたことのない奇妙な感覚に、知己は怯えた。
ちゅ……ちゅ……。
いたずらに吸い上げてはわざと音を立てる。
その度に知己は
「ぅ……っ……、ぁ……!」
と小さな悲鳴を上げた。
将之の唇は、そのまま隣の指に移る。
今度は中指を捕らえて、ゆっくりと口に含んだ。
「ぁ……っ……、っん……」
指に舌を絡め、根本まで口に含む。
一通り味わうと、次に隣の指に移る。
これを繰り返し、順番に一本ずつ、丁寧に口に運んだ。
いいしれない感覚が、知己に訪れた。
「っ……ん、……ぁっ、……っん」
明らかに呼吸が荒くなっていく。
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