第7話 お兄さんと一緒

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「このまま、自分でして見せて」 「……え……?」  将之の言っている意味が分からない。 「自分でしてみせてください」 「自分でって……?」  知己は答えに窮する。 「したことないなんて、言わせませんよ」 「……お前が居るのに?」  戸惑いながら尋ねると 「そう、僕が居るのに。僕の目の前で、してみせてください」  なんとも嬉しそうに将之は微笑む。  思わず 「……へ、変態」  と知己は言うしかできなかった。 「お前は『意地悪お兄ちゃん』じゃない。正しくは、『変態お兄ちゃん』だ」  罵ってみたが 「あははー。先輩ったら、それは褒め言葉ですね」  将之はますます喜ぶばかりである。 「どこをどう聞いたら、褒めてるように聞こえるんだ?」 「ほら、ほら。大きな声を出さない。可愛い甥っ子ちゃんが起きちゃいますよ。それよりも、折角右手がこんなに濡れているんだから……」  将之は、知己の右手を広げ、中心に宛がう。 (誰の所為だ!?) 「使わないってのも、もったいないでしょ?」 (変な所で、せこいな、お前!)  ツッコミたかったが、声を出すと怒鳴りつけそうになるので、知己はやっとの思いで我慢した。 「やり方分からない……なんて言わないでしょ?」     
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