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「殴られるようなことした覚えはないんですが……。大体、今日は何してもいい約束でしたよね?」
殴りかかった知己を、将之が静かに咎める。
「……そうじゃない」
知己は反論した。
「?」
「何をしてもいいけど……、いつも言っているだろ? 俺だけ……、先にイかせるなって。それは寂しいから……その……い……」
知己は言いながら真っ赤になった。
将之に甘えたような恥ずかしいこと言っている自覚はある。
だけど、前もって頼んでいることなのにいつも将之のいいようにされる。
弄ばれている感じが嫌なのだ。
「いつも、一緒に……イきたいって……」
最後は掠れて、言葉にならなかった。
それを見て将之が
「大丈夫ですよ。次、一緒だったらいいでしょ?」
「な……に……?」
意味が分からず、掠れた声で聞き返す。
「先輩の二回目と僕の一回目が一緒でもいいでしょ? ってことです。結局の所、一緒ですよね?」
そう将之が説明すると、窄まりに宛がっていた指に力を籠める。
「は?!」
知己の精液で濡れた後ろに指をねじ込まれた。
「うぁっ……!」
声を上げ、知己はのけぞった。
勢いよくソファに倒れる。
「ぅ……変態……」
ソファにみたび背を預けると、知己は恨みがましく呟いた。
「それでも、僕と一緒がいいんでしょ?」
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