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そういえば、職員室で何度か姿を見かけたことはある。
(……監査にきている風には見えなかったが……)
職員室で会った時には、軽く知己に挨拶していた。
それで、委員会からの書類か何かを持ってきているのだろうという、お遣い程度にしか思っていなかった。
「後藤が、卿子さんからばっちり話を聞いてきたそうです」
「きょ……卿子さんから……!?」
知己は焦った。
「卿子さんは、一体なんて?」
(まさか卿子さんに、俺とクロードの事を変な風に思われている?!)
「隣の席になってから、いつもよく喋っているって。モデルみたいな美形が二人、揃っているのを毎日見ることができて、眼福ー♪……だそうです」
「……それ、喜んでいいのか、微妙だな」
とりあえず、変な誤解はなさそうだと安心した。
それよりも
(なんで後藤君は、卿子さんとそんな話をしているんだ?)
その方が気になる。
(あれ? 職員室で少ししか見かけない……ということは……。玄関入ったすぐが卿子さんの居る事務室だけど、まさか、そこに入り浸っているのか? 後藤君は。いつの間に後藤君と卿子さんは、そんな話をする仲になってんだ? 俺は、全然知らないぞ)
嫌な方向にしか、思考が働かない。
そんな知己に
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