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君も、と言われて、将之は首を傾げた。
「君もってことは、五代君も?」
「うん。僕は、運動部って柄じゃないんだけ、評判の剣道部にちょっとだけ行ってみようかと思っているんだ」
「評判……いいの?」
(不思議なこともあるもんだ)
将之は、父の勧めで、小さな頃より剣道を習っていた。
それ故、部活もずっと剣道部である。
高校に行っても、とりあえず剣道は続けようと思っていた。
(機会あったら辞めたいと思ってた時期もあるけど、ここまでやったら、逆に辞める機会を見つけることができないんだよな)
「評判いいよ。中位君もそれで剣道部に行きたいって言っているのとは、違うの?」
「僕は小さい頃からやってきているから……だけど」
(剣道部ってそんなに人気の部活でもないと思ってたんだけど)
どこに行っても、剣道部の人数はそこまで居ない。
クラスに2、3人居ればいい方だ。
「そうなんだ。僕は、クラスの四分の一くらいは、剣道部に行ってみるって言ってるものだから、ちょっと興味出て。見学してみて、良さそうだったら入部しようかと思っているんだ」
「へえー」
そこで将之と五代は、剣道部の活動場である剣道場に向かった。
「うわ。凄いな。五代君の言ったとおりだ」
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