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そんなある日
「あれ? 中位君はもう終わり?」
五代が、朝練を引き上げようとする将之に声をかけた。
「うん。今日は日直だから、朝練を早めに終わって教室に行かなきゃいけないんだ」
道具の片付けを終え、シャワー室に向かう将之に
「そうなんだ。気を付けてね」
五代が忠告した。
「気を付ける……?」
五代の言葉に違和感を覚えたが、早々に着替えて教室に行かねばならない使命を抱いて、将之は練習場を後にした。
五代の意味する所に気付いたのは、シャワー室に入ってからだった。
鷹隼学園は、クラブ施設も整っている。
部員が着替える部室のすぐ隣にはシャワー室が完備していた。
誰かが既に入っているらしい。
バシャバシャと水音が聞こえてきた。
(先客が居るな……。僕と同じ日直かな?)
などと考えていた矢先、不意にその一室から、知己が腰にタオルを一枚巻き付けた状態で出てきた。
「……」
思わず息を呑む。
水滴がきらきら纏わり付いて、いつも以上に知己が綺麗に見えた。
しかも、ほぼ全裸だ。
知己はスポーツバッグからゴソゴソともう一枚のタオルを出し、無造作に頭を拭き始めた。
将之は、思わず目を見張る。
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