第8話 疑惑に囚われた将之

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 そんなある日 「あれ? 中位君はもう終わり?」  五代が、朝練を引き上げようとする将之に声をかけた。 「うん。今日は日直だから、朝練を早めに終わって教室に行かなきゃいけないんだ」  道具の片付けを終え、シャワー室に向かう将之に 「そうなんだ。気を付けてね」  五代が忠告した。 「気を付ける……?」  五代の言葉に違和感を覚えたが、早々に着替えて教室に行かねばならない使命を抱いて、将之は練習場を後にした。  五代の意味する所に気付いたのは、シャワー室に入ってからだった。  鷹隼学園は、クラブ施設も整っている。  部員が着替える部室のすぐ隣にはシャワー室が完備していた。  誰かが既に入っているらしい。  バシャバシャと水音が聞こえてきた。 (先客が居るな……。僕と同じ日直かな?)  などと考えていた矢先、不意にその一室から、知己が腰にタオルを一枚巻き付けた状態で出てきた。 「……」  思わず息を呑む。  水滴がきらきら纏わり付いて、いつも以上に知己が綺麗に見えた。  しかも、ほぼ全裸だ。  知己はスポーツバッグからゴソゴソともう一枚のタオルを出し、無造作に頭を拭き始めた。  将之は、思わず目を見張る。     
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