第8話余談 疑惑Plus

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「うーん。じゃあ……ちょっと待って下さいね」  将之は、またもや自室に消えた。  しばらくして、なにやら探してきた。  手には浴衣を持っていた。  黒地に白い縞柄。  白地の角帯を手渡され、 「これを着て、今日はヤりましょう」  とにこやかに言われた。  呆れて知己は 「面倒だな。もう、普通でよくない?」  と言うが 「よくない。和服でシたい。本物の胸の合わせに手を突っ込むという、僕の長年の夢を叶えて下さいよ」  将之は引かない。 「変態。もう少し、まともな夢を持てよ。だから、お前はスケベ親父思考だと言うんだ」 「なんとでも言ってください。ちゃんと情報は教えたんだから、先輩は早く浴衣を着て下さい。折角だから、寝室で着替えて欲しいな。5分後に行きますから」 「なんだ、その注文の多さは」  寝室に押し込まれながら、知己は言った。 「こんな機会、滅多にないから楽しみなんですよ。先輩の和装を見られるのも久しぶりだし。あ、先輩、着替えられます? 手伝いましょうか?」  うきうきと語る将之が、年相応に可愛くも思える。 (考えていることはスケベ親父だが、本当は俺より二個も年下なんだよな) 「三年間、剣道部所属だった俺に何言ってやがる。3分後に寝室に来て良いぞ」     
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