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大きな将之に正面から抱きつかれ、受け止めきれずに、そのままベッドになだれ込む。
「折角着たのに、もう少し鑑賞しなくて良いのか?」
性急な将之を宥めたくて言ったのだが
「鑑賞されたいんですか? 意外とナルシストですね」
上に乗る将之が、知己の胸元から顔を上げて答えた。
「お前のリクエストで着たのに。もう、脱がすのか?」
残念そうに呟く知己を無視し、将之は知己の下腹部を触っていた。
「むぅ、パンツを穿いてる……。下着付けないのは、和装の常識でしょ?」
「それはいつの時代の話だ? って、おい! 何している!?」
問答無用で、将之は知己の下着を剥ぎ取った。
「これで、僕の妄想通りです」
鼻息荒く語る将之に
「威張って言うことか……?」
辟易して、知己は答えた。
「……まさか……」
ふと嫌な想像に行き尽いてしまい、恐る恐る知己は尋ねた。
「高校時代、下着なしで胴着を着ている俺を、お前は想像してたのか……?」
「今、それに答えると、もれなく先輩の鉄拳をもらうから言いませんよ」
それを言っては、想像していたと言ったも同然である。
「こ……この変態!」
次の瞬間、知己が思いっきり将之にボディブローを噛ました。
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