第8話余談 疑惑Plus

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 大きな将之に正面から抱きつかれ、受け止めきれずに、そのままベッドになだれ込む。 「折角着たのに、もう少し鑑賞しなくて良いのか?」  性急な将之を宥めたくて言ったのだが 「鑑賞されたいんですか? 意外とナルシストですね」  上に乗る将之が、知己の胸元から顔を上げて答えた。 「お前のリクエストで着たのに。もう、脱がすのか?」  残念そうに呟く知己を無視し、将之は知己の下腹部を触っていた。 「むぅ、パンツを穿いてる……。下着付けないのは、和装の常識でしょ?」 「それはいつの時代の話だ? って、おい! 何している!?」  問答無用で、将之は知己の下着を剥ぎ取った。 「これで、僕の妄想通りです」  鼻息荒く語る将之に 「威張って言うことか……?」  辟易して、知己は答えた。 「……まさか……」  ふと嫌な想像に行き尽いてしまい、恐る恐る知己は尋ねた。 「高校時代、下着なしで胴着を着ている俺を、お前は想像してたのか……?」 「今、それに答えると、もれなく先輩の鉄拳をもらうから言いませんよ」  それを言っては、想像していたと言ったも同然である。 「こ……この変態!」  次の瞬間、知己が思いっきり将之にボディブローを噛ました。
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