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初めての行為に、身体が硬直してしまっている。
指、一本満足に動かせない。
「大丈夫。リラックスして」
そう言うと将之は、するりと合わせから右手を入れ、知己の胸に触れた。
「……んっ……」
滑り込ませた将之の右手は、すぐに知己の左胸の突起に触れた。
知己を怖がらせないよう、控えめなそれを優しく撫でる。
「……」
恥ずかしそうに俯き、知己は声を潜めていた。
将之がそっと指で摘んだら
「……あ、っ……」
思わず知己から声が漏れた。
うなじを甘噛みしつつも、胸の突起を転がしたり指で軽く押しつぶしたりすると、知己がもぞもぞと恥ずかしそうに身体を揺らした。
「俺、まだ、シャワー……浴びてない……のに……」
密着していることや胸を弄られている恥ずかしさに耐えられず、シャワーを建前に、知己は行為の一時中断を願った。
行為の全ての中断ではなく、今の恥ずかしさからちょっとだけ逃げたい。
そんな気持ちだった。
もちろん、将之はそれを許さない。
抱きしめる手を緩めず
「先輩は汗をかいても、いい匂いですよ」
改めて首元で大きく息を吸う。
「やっ……!」
密着されたまま、匂いを嗅がれ、知己はますます恥ずかしくなる。
知己の逃げる口実は、逆効果だったようだ。
そんな知己の反応を愉しんで、将之はわざと首筋を舌先で巡った。
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