第8話余談 疑惑Plus

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 初めての行為に、身体が硬直してしまっている。  指、一本満足に動かせない。 「大丈夫。リラックスして」  そう言うと将之は、するりと合わせから右手を入れ、知己の胸に触れた。 「……んっ……」  滑り込ませた将之の右手は、すぐに知己の左胸の突起に触れた。  知己を怖がらせないよう、控えめなそれを優しく撫でる。 「……」  恥ずかしそうに俯き、知己は声を潜めていた。  将之がそっと指で摘んだら 「……あ、っ……」  思わず知己から声が漏れた。  うなじを甘噛みしつつも、胸の突起を転がしたり指で軽く押しつぶしたりすると、知己がもぞもぞと恥ずかしそうに身体を揺らした。 「俺、まだ、シャワー……浴びてない……のに……」  密着していることや胸を弄られている恥ずかしさに耐えられず、シャワーを建前に、知己は行為の一時中断を願った。  行為の全ての中断ではなく、今の恥ずかしさからちょっとだけ逃げたい。  そんな気持ちだった。  もちろん、将之はそれを許さない。  抱きしめる手を緩めず 「先輩は汗をかいても、いい匂いですよ」  改めて首元で大きく息を吸う。 「やっ……!」  密着されたまま、匂いを嗅がれ、知己はますます恥ずかしくなる。  知己の逃げる口実は、逆効果だったようだ。  そんな知己の反応を愉しんで、将之はわざと首筋を舌先で巡った。     
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