第8話余談 疑惑Plus

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 熱くなっていく身体を止められない。  知己は切なそうに呻いた。 「あ、ぁぁっ……!」 「……先輩」  何を思ったのか、そこまで高めておきながら、将之は抱きしめていた知己の身体を引き離した。  そのまま、シャワー室中央のベンチに知己を座らせた。 「中位?」  将之の意図が分からず、知己は不安げに尋ねた。 「なんだ、怒ったのか?」 「いえ、怒ってないですよ」 「だったら……どうして、途中でやめるんだ?」 「……(正面から、感じてる先輩の顔を見たくなった……って言ったら、怒るかな)」  言った途端に、また殴られるかもしれない。  下手をしたら、続きをさせてくれなくなるかもしれない。 (それは、嫌だな)  将之が、なんと答えようか考えていると 「な、舐めてもいいから……」  知己からぽそりと提案があった。 「え?」  何のことか分からずに、将之が聞き返すと 「お前のしたいようにしていいから……、その……つ、続きをして……くれ……」  真っ赤になって知己が強請った。  どうやら、知己が「舐めるな」と言ったのを、将之が怒ったと勘違いしてのことらしい。 (ラッキー)  思いがけず、知己からの許しが出た。 「……それじゃ」  意外な承諾に、将之は調子に乗る。 「自分で見せてください」 「う……ん……」     
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