第8話余談 疑惑Plus

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 だが、がつがつと強く腰を打ち付ける将之にスピードを緩めることはできない。  知己が善くなると、中の締め付けも自然と強くなる。  そうなると十六歳の若い将之に、手心加える余裕などなかった。 「先輩っ……!」 「あぁっ、んー、はぁぁ……、んっ……んんっ!」  激しい突き上げに、知己は目眩を覚えた。  将之は、辛そうにだが、しっかりと自分を受け入れてくれた知己に 「先輩っ、好きです。大好きですっ……!」  と告白しつつ、本能のままに腰を打ち付ける行為を続けた。  ぱんぱんと肉同士がぶつかり合う音に、ぐちゅぐちゅという淫らな音が結合部から聞こえた。 「んっ……、ぁっ……!」  過ぎる快楽にひたすら耐える知己からの返事はない。  代わりに、今の今まで膝を押さえ、将之に自らを晒していた知己の腕がふわりと外れ、将之の背に回された。  きゅっと抱きしめられ、将之には (俺も、お前が好き)  という幻聴が聞こえた気もした。
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