第8話余談 疑惑Plus

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「もはや何から手を付けたらいいか分からずに、現実逃避に外に出て、もっと酷い状態になりつつある……って所か?」 「ひぃっ!」  思わず後藤は、耳を塞いだ。 「現実に目を背けた所で、問題の解決にはならないだろう? 君に課せられたデスクワークは、君以外にできないんだ。魔法のように消えることなんてないんだから、諦めて、少しずつでもやり始めるしかない。違うか?」 「うっ!」  後藤が知己の言葉に胸が痛んだのか、胸元を抑える。  やがて 「す、すみませぇぇぇぇっん!」  後藤は、知己に持ってきた封筒を押しつけた。  完全なる降伏。  知己は、押し付けられた封筒を受け取った。 「これに懲りたら、必要以上の出張は控えてデスクワークに励むんだ。いいな?」  知己は、なんだか生徒を指導しているみたいな気分になってきていた。  なんだかんだ理由つけて事務室に入りたそうにしていた後藤が、打って変わって素直に 「はい! 分かりました!」  と今、入ってきたドアに逆戻り。  そそくさと帰って行った。  その様子を、事務室から見ていた卿子が 「平野先生」  と声をかけ、招き入れた。  卿子に、後藤から渡された配布物を渡す。  卿子は、配布物を自分の机に置くと、知己に冷えた麦茶を出しつつ、
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