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なんだか体が熱い。
「夏だから……かな?」
退校時間迫る夕暮れ。
体の火照りを感じつつも、明日の補講の準備を終えて帰り支度を始めた。
「そういえば……」
門脇はお茶の差し入れをしただけで、すんなり帰って行った。
「補講だったら、実験もないんだろ。じゃあ、俺は用無しだな。受験生だし、自分の勉強するよ」
(受験生って……)
門脇の成績から言えば、早々に帰って勉強する必要もないだろう。
なんとなく違和感があったが、教師として勉強するという学生を止める必要もない。
基本一人が好きな知己は、門脇が早々に退散してくれるのはありがたい。
ましてや門脇の知己への気持ちを考えると、尚更だ。
「うっ……、やっぱなんか……変だ」
知己は、体の異変に気付いた。
妙に体が熱い。
(風邪……?)
だが、だるいといった症状はない。
それよりも、なにやら下半身に熱を感じる。
気になってそこを見ると妙に張り詰めてさえいる。
(……最近、忙しくて、自分のことなんか構えなかった所為かな)
一学期の期末考査、成績処理、そして夏休みを迎えた。
知己は高3生担当。
夏休みも夏期補講を行い、怒濤の忙しさ続行中である。
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