第9話 猛暑が人を狂わす夏季補講

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「な……に?」  種明かしと言われても、何のことだか分からない。  呼吸を整えようとするが、絶頂間近でお預けされては、整うものも整わない。  視線だけを巡らして門脇に聞く。  そんな知己を一瞥すると、我慢大会の敗者たる門脇が言葉を紡いだ。 「さっき先生に差し入れしたお茶に、催淫剤を混ぜたんだ」 「……は?」 「催淫剤! 媚薬! えっちな気分になっちゃう薬!」 「……っ……!」 「ペットボトルのキャップ、開いてたの、気付かなかった? 暑い所為で、気付かずに一気に飲んじゃった?」  知己は飛び起きた。 「だーかーら、我慢せずに出さなきゃそれは治まらないの」 「……お前っ……」  道理で。  力は入らないわ、拒否できないわ、門脇のされるがままな自分に納得がいった。 「……!」 「そんなに睨むなよ。俺が責任取って、先生が最後までイくの、ちゃんと手伝うから」  開き直った門脇の態度が、憎らしい。  その上 「ほら。退校時間過ぎてるし。早くイけよ」  薬を盛った張本人の手で、その目論見通り達することを強いられる。  屈辱だった。  だが、体はどうしようもないほど疼いている。  なかなか行動に移さない知己に痺れを切らし 「あっ……!」     
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