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「それも全体得点で、赤だの白だの勝つ方を予想するのでは、まさにギャンブルです。よくないです。ですから、門脇君も応援団長なら応援合戦に限って勝負したらいいんですよ。全体の勝敗は関係nothing。これでどうです?」
「いや、どうですって……」
戸惑う知己を置き去りに、
「その勝負、乗った!」
意外にも門脇が乗ってきた。
なかなか「うん」と言わない知己に対して、承諾させる好機だと踏んだようだ。
「応援合戦は、それぞれの組の団結力だけでなく、応援団の演技力なども評価されます。なかなかの得点競技ですから、不足はないでしょ」
「そうだな。要は俺の応援する赤が勝てばいい訳だし。応援合戦だけの勝負なら、閉会式の総合得点発表まで待たずに、すぐに勝敗の結果も出る。俺としても、いい話かもな」
「そういうこと」
門脇とクロードは、どんどん話を進めていく。
「いや、あの、な……」
(俺には何の得もないんだけど)
と言おうとしたのだが、どうにも口を挟むことができない。
乗っかろうとしていたのが泥の船であったことに気付く頃、知己にとってまったく利のない約束が成立するのだった。
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