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「じゃあ、何か? 緩めた着物の合わせからチラ見せの先生の乳首も拝んだのか?」
少しでも優位に立ちたくて、門脇は以前、練習で見た知己の姿を言ったが
「ちょ、門脇! 何を言っている?!」
「もちろん、チラ見せどころか、シャワー上がりで無防備な先輩も拝んだ訳だけど……」
言葉とは裏腹に、将之が
(門脇君相手に、何のサービスしているんだ? 先輩は)
と密かに怒りの炎を灯していた。
「マジか? 畜生。羨ましいな」
門脇の本音ぽろりだが、更に門脇がどんな爆弾発言をぶち込むかと思うと、知己はもう気が気ではない。
「将之……お前、もう十分体育祭見ただろ? そろそろ帰ったら?」
まさかここで知己からも「帰れ」コールが飛び出した。
「嫌ですよ。こうなったら、最後まで見て帰ります」
「え? なんで?」
知己は、将之の居座る宣言に泣きたくなる。
「委員会は例年、午前中で帰るだろ?」
「でも、午後まで居たっていいでしょ? それとも居られたらまずいことでもあるんですか?」
「そ、そんなのはない……けど……」
(居られたら、将之に見られてまずいことが起きる可能性があるんだよ!)
とは、とても言えない。
「Mr.樋口。日本は『礼』の国だと聞いていましたが……」
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