第10話 混戦を招いた運命の体育祭

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 門脇は、応援団の出番ということで、渋々テントから去った。知己もそろそろ仕事に戻ろうとした所、 「先輩、どこに行こうとしているんです? 話はまだ終わっていませんよ」  将之に引き留められた。 「必要以上に仲良くしない約束、守っているんでしょうね?」 「……(やばい)」  成り行きとは言え、白が勝ったらクロードにキスすることになっている。これを将之に知られるのは、絶対にまずい。 (このことを知っているのは、当事者の俺とクロードと門脇の三人のみ。まず、門脇の口から漏れるということはない。ばれるとしたら、クロードから……だな)  門脇はともかく、クロードにとってキスは挨拶程度の認識。  今回のこともゲーム感覚で、面白がって言い出したようにみえた。  だから返って、軽く口を滑らすかもしれない。  もしも将之に知られたら、ややこしくなるのは必至だ。  できることなら、知られたくない。 「どこですか? イケメンは。会って、一言釘を刺しておきたいんですが」 「頼むから、やめてくれ。クロードは関係ないんだ」 「庇うんですか?」 「お前のジェラ期に巻き込むなって言ってるんだ」 「……分かりました」 「分かってくれたか?」     
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