第10話 混戦を招いた運命の体育祭

18/31

301人が本棚に入れています
本棚に追加
/318ページ
 不思議そうにクロードが尋ねてきた。 「あ……いや、その……」  将之のジェラ期の説明もできず、言葉濁す知己の代わりに門脇が 「身長高いヤツにいい奴はいないって、常々俺は思っているんだけど、あいつは最たる例だ。クロード先生が、あんなヤツが日本人だとか、それも教育委員会の人間だとか思って欲しくない」  と答えた。  クロードも190cm近い高身長なので、苦笑いを浮かべつつ 「そんな酷い人なんですか?」  と尋ねる。 「俺の知りうる中では、独占欲の強い歳だけとった幼稚な人間だ」  門脇が即答する。 「へえ。人は見かけによらないな。nice guyだけど」 「……ええっと……、まあ、なんだ。『君子、危うきに近寄らず』ってヤツだな」  知己がフォローにならないフォローをすると 「はあ。ことわざの意味はまだよく分からないのですが、門脇君と知己がそう言うのであれば、そのようにします」  なんとも納得いかない表情で、クロードは言うのだった。
/318ページ

最初のコメントを投稿しよう!

301人が本棚に入れています
本棚に追加