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不思議そうにクロードが尋ねてきた。
「あ……いや、その……」
将之のジェラ期の説明もできず、言葉濁す知己の代わりに門脇が
「身長高いヤツにいい奴はいないって、常々俺は思っているんだけど、あいつは最たる例だ。クロード先生が、あんなヤツが日本人だとか、それも教育委員会の人間だとか思って欲しくない」
と答えた。
クロードも190cm近い高身長なので、苦笑いを浮かべつつ
「そんな酷い人なんですか?」
と尋ねる。
「俺の知りうる中では、独占欲の強い歳だけとった幼稚な人間だ」
門脇が即答する。
「へえ。人は見かけによらないな。nice guyだけど」
「……ええっと……、まあ、なんだ。『君子、危うきに近寄らず』ってヤツだな」
知己がフォローにならないフォローをすると
「はあ。ことわざの意味はまだよく分からないのですが、門脇君と知己がそう言うのであれば、そのようにします」
なんとも納得いかない表情で、クロードは言うのだった。
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