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「……か、かっこいい……」
「はあ?」
隣から聞こえてきたうっとりとした知己の感想に、門脇は耳を疑った。
「先生、何言ってるんだ?!」
門脇に言われ、
「い、いや。さすがネィティブスピーカーだと思って」
知己は我に返って、適当な理由を言った。
実際に見とれていたのだろう。
指揮台の壇上でクロードの金髪が揺れ、陽光を跳ね返すかのようだ。
冴えた青い瞳が門脇達を挑発するかのように見つめていた。
流暢なクロードの英語に合わせ、力強い応援団の合唱と演技。
また応援席でも白組全員の手拍子と合唱が合わさり、重なり合って、その迫力は厭が応にも増し、すばらしい一体感を醸し出していた。
知己でなくとも、目を奪われる。
「くっそ。あいつめ。こんなことを企んでいただなんて……」
門脇が異常に悔しがる。
応援の演技は、応援団の演技種目自体の演技・技術点と組全体の団結力の団結点で評価される。
どう見ても、白組の完成度が高い。
このままでは、敗北は必至だ。
「そんな門脇にバッドなニュースだ」
「……菊池? 何だよ、そのもって回った言い方は」
菊池が、不機嫌な門脇にさらに追い打ちをかけた。
「実は、さっきの騎馬戦で、俺、突き指しちゃったみたいで」
冷えピタを適度な大きさに切って貼ってもらった後の指を、門脇に掲げて見せる。
「はあ?」
「それで、太鼓のバチを持てねえ。指に全然力が入らないんだよ」
「はああああああ?!」
門脇は人目も憚らずに叫んだ。
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