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「よし。それじゃ、次はメイク落としてくる」
脱ぎ捨てると、いそいそと洗面台に向かう。
「今年は動きも素早いですね」
「善くも悪くも慣れてしまった」
残念な学習の成果だ。
卿子からもらった１回分のメイク落としを片手に、知己はパンツ一枚の下着姿で洗面台に立った。
洗顔しながら、それをくれた卿子のことを自然に考えてしまう。
（こういうメイク落としを携帯しているってことは、卿子さん……突然のお泊まりとかあるんだろうか。もしかして、彼氏居たりするんだろうか。うーん……あんまり考えたくないな）
化粧を落とし終わって、さっぱりした顔をタオルで拭きながら、
（考えてもしょうがないか）
と思った。
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