第10話・余談 体育祭plus 1

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 絞り出すかのように、否定の言葉を吐いた。 「素直じゃないんだから」  さっき服を脱がすときは「素直」と誉めた同じ唇でそう言った。 「う、ぅぅっ……」  後ろから、将之の指の出し入れに合わせグチュグチュと粘液性の音がしていた。  それに耐えるかのように、洗面台を掴んで知己は押し寄せる快楽に耐えていた。 「ここ、気持ちいいんでしょ?」 「……ぅ、るさいっ……」 「この姿勢もいいでしょ?」 「も、やめっ……!」  将之は狭いと言ったが、それは他の部屋に比べての話。  2畳ほど取られた洗面化粧室で、その攻防は繰り返されていた。一般家庭のものよりは、遙かに広い。  黒い落ち着いた壁の半分を占める一面の大きな鏡。  その前に50センチほどせり出したカウンター。  天板は大理石仕様になっている。  そこに埋め込まれた黒くて幅の広い洗面台。  元々、中位一家が住んでたそこは、将之の父か母の趣味だろう。  黒で統一され、シックな雰囲気が醸し出されていた。 「んっ、あ、ぁぁ……」  細く息を吐き、将之が弄ぶ後孔の刺激をなんとかうまく逃がしていた知己に、将之が語りかけるように話し出した。     
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