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「確かこの姿勢は、体目的みたいだとか僕の顔が見えなくて寂しいから嫌いだと言ってましたよね」
「う……んっ……」
ぐちぐちとまさぐられている知己からは、肯定しているのか、喘ぎ声なのか分からない返事が返ってきた。
「僕、知っているんですよ。先輩、僕が見えないと思って油断して……。こういう姿勢の時は赤裸々に悦んでいる顔してること」
「はぁ、ぅ……、んっ……?」
「さっきから鏡に映ってますよ、先輩の気持ちよさそうな顔」
そう言われ、はっとして視線を前の鏡に向ける。
頬を紅潮させ、押し寄せる快楽に抗って眉根を寄せているが、とろんと潤んだ瞳。絶え間なく喘ぎ声をあげる半開きの口。
なんとも淫らな表情の自分がそこに居た。
「っ……!」
あまりの蕩けたような表情に、我ながら引く。
(なんだ、この溺れたような顔)
そんな顔をさっきから見られていたと思うと、果てしなく恥ずかしい。
「油断して、なかなか見せない顔しちゃうのも、この姿勢のいいところだなぁ」
「ば、ばかっ……!」
鏡に映らないよう思わず上体をひねるが、それが災いし
「ひぐ、ぅ……っ!」
くちゅぅ……という音と共に、将之に弄られている部分に捻ることで余計に自分自身で刺激を与えてしまった。
ぴくんと一旦停止する知己に
「あーあ。今日はずいぶんと敏感になっちゃって」
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