第10話・余談 体育祭plus 1

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 あえて、それは抜かないでゆっくりと回転させると、絶妙に内壁を擦るためか、 「ふっ……ぅ、ぁっ……!」  短く息をして、誤魔化すように知己が小さく呻く。  十分潤っている為、結合部はくちゅりと音を立てただけで、難なく向きを変えることに成功した。   知己が腕を将之の首に回す。  天板に腰を乗せているが、不安なのだろう。落ちないように将之の腰に脚を絡める。 (あれ? これは、いわゆる「駅弁ファック」っていうんじゃ……)  ふと思ったが、言うとただでさえ「続きをさせない」などと言っているのだ。本格的お預けを食らいそうなので、さすがに言うのをやめた。 「正面向きました」  報告されても、知己はばつが悪そうに俯き、将之に視線を合わそうとしない。 「続き、しますよ」 「ん……」  返事のような、そうでないような曖昧な言葉を発すると、知己は顔を見られないよう、将之の首筋に抱きついた。 (恥ずかしがり屋だから、なぁ)  さっきの鏡の中の、蕩けきった知己の表情を思い出す。 (きっと僕の見えない所で、そんな顔しているんだろうな……)  そう思うと、今、ひしと首筋に抱きついている知己が可愛いような愛しいような。 「んぁっ……」  耳元で小さく叫ぶ知己に、ちらりと視線で問えば 「あ。なんか、お前のが……急におっきくなったみたいで……」     
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