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声を上げたことを恥じて、知己は感じたままを口にした。
「可愛いなぁ、先輩は」
思わず感想を言うと
「それ、誉めてない」
嫌そうに知己が返事をした。
ゆっくり知己を持ち上げ、抜けそうな位置で力を緩める。
「はぅっ、ぁ……!」
重力が手伝い、深く交わることができた。
しばらく、ゆっさゆっさと重力を味方に知己を揺すると
「……ん、ふ……っ、……んぁっ」
小さく知己の喘ぎ声が、身体の揺れに合わせて耳元で聞こえる。
「ま、将之…っ……」
喘ぎ声に混じって、自分を呼ぶ声。
はっはっと短く呼吸をしつつ、高ぶっている将之は
「何です?」
やはり短く聞き返すしかできない。
揺すられ続けている結合部は、ぐちゅぐちゅといやらしい音を立て続けていた。
「この……体位……も……、いいだろ?」
(珍しいことを聞くなぁ)
と思いつつ
「いい、ですね」
適当に合わせて答える。
「その上っ……、向かい、合わせだと……!」
首に抱きついていた知己が、不意に横を向いたかと思えば、ちゅと将之の頬に口づけた。
「……!」
一瞬、将之の動きが止まった。
「……お前に……キスすることも、できるぞ」
揺さぶられる行動を止められ、その原因が自分のキスにあることを自覚した知己は、恥ずかしそうに付け足した。
「先輩……」
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