第10話・余談 体育祭Plus 2

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「こっちは三十路近いんだ。毎度毎度身がもたねえんだよ。1回ぐらい出しておけ」  ドリーム知己のなんと積極的なことか。 「あ、マジか……っ!」  巧みに門脇を高めていった。  舌先を使って、つつーっと陰茎を舐め上げたかと思えば、柔らかな唇で先端をくわえる。そうかと思えば、喉の奥の方まで、導き入れる。  ありとあらゆる手管を用い、門脇を高めた。 (AVの影響大きいな)  リアル知己が果たしてこれだけのテクニックを持っているかは分からない。  だが、知己と同じ顔で、同じ声を発して、触れてくるドリーム知己の魅力に抗えるほど、門脇は大人ではなかった。 「ふっ……、せんせっ。もうっ……!」  限界が近い。  口淫をやめて、唇を遠ざけようと門脇は知己の肩を押した。 「だ、だめだって、先生っ!」  だが、離れようとしないばかりか、頭を振って、離さないアピールをする。 「んっ……! ん、ぅっ……!」  ぢゅっぢゅとより強く、知己に吸い上げられた。  頭を前後に振って、口全体を使って扱かれる。 「あぁっ……!」  びくびくと門脇の太股が痙攣する。  門脇が絶頂に達したのだ。  ほどなくそれが収まって、 「んっ……」  こくりと飲み干した知己が、恍惚とした表情で門脇に微笑みかける。 「全部、……飲めた」  門脇の解き放ったものを全部飲めたのが嬉しかったようだ。  それが妙にいじらしく思え、門脇は、知己の口の端に零れた自分の精液を指で拭った。  それをぺろりと舐めて 「……まず。こんなん、飲むなよ」  と言うが、 「蓮のだと思うと、美味しいんだよ」  笑顔で知己が答える。  それがまた愛おしさを募らせる。  門脇は、自分の膝にいる知己の顔を両手で挟む。  知己は、蓮の意図に気付き、膝立ちで伸び上がって門脇の顔を迎えにいった。  そして、二人はまたキスをした。  (先生と、キス……)  先ほどと違い、今度は角度を変え、何度も軽いキスを繰り返した。 (体育祭で勝てば、本当に先生とキスできる……)  知己の口の中は、さっきの自分のものの味がする筈なのに、なぜか甘いような気がした。  自分の胸が、甘い思いで満たされていくような感覚の所為かもしれない。  そう門脇は、思った。  知己は机の下から這い出て、ベッドに向かった。  凛とした足裁きは見事で、さっきまで淫猥なことに耽っていた男と同一人物とは、とても思えない。 「袴、脱ごうか?」  ベッド際に立ち、知己が振り向きざまに言う。  そんな知己に背後からくっつくように抱きしめ、 「だめ。俺が脱がす」  と答えた。  知己が、耳元で囁かれて、嬉しそうにかつ恥ずかしそうに笑う。 「じゃ、頼む」  言われて、すぐに袴の帯を解いた。  すとんと知己の足下に袴が落ちた。 「せんせっ……!」 「なんだよ、別にいいだろ?」  驚いたことに、知己は、下に何も穿いていなかった。 (昼間、リアルでシャツ着てなかった先生を見て、下も穿いていない気になった所為か?)  多分、いや、絶対にあの時はいつもの黒いボクサーパンツかなにかを穿いているものと思われたが、夢の中では、いつだって門脇の妄想を反映してくれていた。 (でなきゃ、ただの露出狂だ)  自分の果てしないエロ欲望に辟易するが、まあ、そういう年だから仕方ないよな、と、思う。  そんな性の対象に選ばれた知己には、ほんの少し気の毒に思うが。 「なあ、蓮……」  知己は太股までを隠した上衣一枚を翻し、ベッドに腰掛けた。  マットレスに横になると、脚を広げ、局部をちらつかせた。  ただそれは上衣が邪魔して、見えそうで見えない。 「なんつーお誘いだよ、先生」  そういって、知己に覆い被さると、知己は嬉しそうに門脇を脚の間に導いた。 「見て」  両足を広げつつ、膝を曲げたポーズを取る。  膝裏から自分の手で押さえ、知己は脚を閉じないようにした。  見てという割には、依然、上衣がそこにかかって、見えそうで見えない位置をキープする。  門脇は衣の紐を解き、短い裾をそれぞれ左右一枚ずつ摘むと、思い切って左右に開いた。 「あ……っ」  わずかに恥ずかしそうに身じろぎするが、決して知己は嫌がっていなかった。  昼間見た知己の乳首が、門脇に晒され、期待に震えているのが分かる。  知己に言われた通りに、晒された乳首、しなやかな体、そして自ら脚を広げもはや何も纏っていない股間にゆっくりと視線を巡らす。 「やっ、蓮……。もっ、早く……」  期待に疼く体を見られて、赤くなって俯く知己は次の行為を強請った。  たまらず知己の右胸に吸いつく。  ちゅ、と音を立てて突起を吸うと 「はあ、んっ……!」  知己が背を反らして、喘いだ。  ちゅ、ちゅ、ちゅと右に唾液をまぶし、吸い上げる。舌で愛撫を繰り返しつつも、左の突起に目をやる。知己の腰と衣の間に腕を差しいれ抱き寄せるようにすると、もう片方の手でそっとそれに触れた。 「ふぁっ……!」  突起を摘んだり、押し潰したりすると、その度に知己の体が跳ねた。 「あっ、ぁぁ……っ」  口に銜えたものをきつく吸い上げると、知己の声に泣きそうな響きが混じった。 「蓮っ、あっ、あぁ! ……んっ!」  門脇の体の下では、知己のものが窮屈そうにしていた。  そっと体を起こすと、先ほど眺めたときとは明らかに形を変え、緩くだが、芯を持って立ち上がっている。 「蓮……?」  しばらく眺める門脇に、続きを催促するかのように知己は声をかけた。 「なあ、先生」 「?」 「これ、どうして欲しい?」  きゅっと知己のものを握り込むと、知己は一瞬、息を詰めた。 「……ぁっ」 「ちゃんと言ってよ。どうして欲しい?」 「蓮……」  知己は、もじもじと俯く。  どうやら、恥ずかしくて言葉にするのを戸惑っているようだ。  しばらく待つと、言わないと続きをしてもらえないことに我慢できなくなった知己が 「……して……」  小さく言った。
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