第4話 門脇推しAVにまつわる話・1

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 将之が冷たく言うと 「だから、家永がAVを持つってのがないんだよ。さっきも言ったけど、家永はAVが好きではないんだから」 「そりゃ、知己先輩と一緒にAV観るって嫌でしょうよ。自分がそういうシーン観て興奮しちゃったり、妙な気分になっても好きな人が傍に居れば気まずいだけだし」 「え……?」 (家永がAVを見るのを嫌がってたのは、俺が居たから?)  やっと将之の言う意味を理解し、知己が途端に赤くなった。 「そういう……意味……?」  やたらと家永を庇い、その上、家永の気持ちを意識して赤くなる知己の反応に、将之は益々不機嫌になった。 「家永さんちで先輩はケースを見ただけで、中にDVDが入っているかどうかは確認してないでしょう? 中身は、ちゃっかりデッキの中だったんじゃないですか?」  知己が懸命に守ろうとする家永を、どうしようもなく貶めたいような気持ちに駆られた。 「そりゃ、もちろん中身まで確認してないけど……」  家永の真意に気付いても変わらない知己の態度に 「本当に、あの人を庇いまくりですね……」  呆れるしかなかった。 「お前は疑い過ぎだよ」 「疑いたくもなりますよ。このケースを見て、なんとも思わないんですか?」     
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