第4話 門脇推しAVにまつわる話・1

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 将之が一気に腰を進めようとした、その瞬間 「♪♪♪♪……」 「え? な、何?」  知己が驚き、顔を上げる。 「?」  将之も、その音楽の鳴った方を見た。  テーブルの下。  段通の上に見慣れない携帯が落ちている。  二人からはちょうど死角になっていた。 「……後藤の、携帯だ」  将之が拾い上げて、 「はい。もしもし」  しつこく鳴る電話に根負けして出ると、 「あ、先輩!? すみません。俺、慌てて携帯を落っことして来ちゃったみたいで」  と弾むような後藤の声。  焦って、電話してきているようだ。 「やっぱり先輩の部屋に落としてたんですね。ああ、見つかって良かった。今から取りに行きますので、よろしくー!」 「今から? 月曜でいいだろ?」 「やだなー。先輩、冗談でしょ? 携帯はDVDとは違って、ないと困りますから……(笑)。実は、もうマンションの下のコンビニから電話かけているんですよ。後2分ほどで着きます。受け取ったらすぐに帰ります。だから、ご迷惑はかけませんよー」  明るく言う後藤に (今現在、ものすごく迷惑かけられているんだけど)  と将之は思った。 「おい」  部屋に来られては困ると言おうとした。     
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