第4話 門脇推しAVにまつわる話・1

23/24
前へ
/318ページ
次へ
 どうしても将之と共に達したいと思っていたし、将之によって高みに導いてほしかったので、我慢していたのだ。 「先輩……」  湧き上がる感情に、将之が 「先輩、好きです」  と言い、横たわる知己にキスをしてきた。  将之の舌を迎え入れ、知己はそっとそれに絡める。 「やっと……キスしてくれた」  嬉しそうな知己に、将之は気持ちを抑えられない。 「好きですよ、先輩」  と、もう一度キスをする。  舌で知己のそれをくすぐると、応えるかのように知己は将之の首に腕を回した。 「将之……、俺も……好き……」  耳元で囁く。 「今日は、もう、意地悪しません」  と反省したように将之が言った。 (やっぱり、こいつ……意地悪していたのか)  一瞬回した腕に力をこめ、将之の首筋を締めたくなる衝動に駆られたが、かろうじて堪えた。  将之の方は、殺意芽生えた知己に気付かず、すかさず後ろに手を伸ばす。  すぐにそこを探り当て、そろりと撫でる。  撫でられて、ぴくっと知己の身体が期待に疼いた。  と、 「あ」  将之が何かに気付いたような声を上げた。 「なんだよ、もう意地悪しないって言っただろ? 早く……」  もぞもぞと後ろを触られ、焦れて知己が言うと 「ダメです。もう、かなり乾いちゃってます」 「は?」 「また、ローションを付けなくちゃ……」 「え? ええええ!?」     
/318ページ

最初のコメントを投稿しよう!

301人が本棚に入れています
本棚に追加