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「うるせーな! 先生にベタベタするお前が良くねーんだろ?!」
火に油を注いだだけだった。
門脇はますます怒り狂った。
「門脇、ちょっと落ち着け。いいから。俺が説明するから」
知己が廊下まで出てきて、ふーふーと鼻息荒い門脇の背中をさすった。
知己に触れられて、少し落ち着いた……というよりも、妙に照れて、怒りを持続できなくなった門脇は
「……ちゃんと、俺が納得いく説明をしてくれ」
ぼそぼそと言う。
「まあ、理科室の中に入れ。クロードは……、そうだな。とりあえず職員室に戻ってくれる?」
(これ以上門脇を刺激しないためにも、クロードは職員室に一時避難させよう)
知己が言うと
「知己が、そう言うのなら……」
クロードは軽く「Bye.」と言って、職員室の方に戻っていった。
(そういえば、彼はレク委員と一緒に知己と手を繋ぐ作戦を画策してた子でしたね……)
門脇と知己を背にして、クロードは思い出していた。
(……クロード? ……知己?)
門脇が聞きつけて、心中穏やかではなくなる。
だが、知己に背中を撫でられて、顔には出さぬようにしているものの、嬉しくなってしまっている門脇は
「は……早く、説明を!」
と、変にはしゃいでしまう気持ちを誤魔化すように急かした。
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